西村泰一君の著書について

西村泰一君より、以下のメールをいただきましたので紹介致します。

数年前にBirkhauserというスイスの出版社から英語の本を1冊出版しました。中澤武雄という1913年に高知に生まれ、1946年にハバロフスクでシベリアでの強制労働の最中に栄養失調で高いされた数学者です。この本の主要な部分は中澤武雄のドイツ語の数学の論文とその英訳ですが、このほとんど無名に近かった数学者の業績の重要性を喚起するのあたって、日本がどうして満州と関わるようになったのかという話しをせざるを得ず、それは結局日清戦争から説き起こさざるを得ず、結果として欧米の人間を想定して、明治維新から太平洋戦争にいたる歩みを社会科学的に分析するという労をとる羽目になりました。したがって最初の数章がこれに当てられます。印刷物としての本自体は完売して今では入手不可能ですが、E-Bookとしては入手可能で、またそういうこととは無関係に第1章は無償で公開しています。以下がそのLinkです。

http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/handle/2241/104009


中澤先生は私の本の出版から数年たって、Wikipediaにどなたかが書かれたようです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Takeo_Nakasawa

またこの本はWikipediaのManchuriaに脚注の形で挙がっています。

http://en.wikipedia.org/wiki/Manchuria





さらに、以下のメールをいただきましたので、追加します。

http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/handle/2241/114792

これは昨年の5月下旬から6月上旬にかけて東京都港区にある国立新美術館に出展した作品です。先日ご紹介した中澤武雄の本を書く過程で理性的なものには収まりきらない怒りというか情念の世界を芸術にまで昇華させてみました。